第93回京都管理会計研究会

京都大学経営管理大学院・経済学研究科は,令和4年6月11日オンラインにて第93回京都管理会計研究会を開催しました。

本研究会は,研究者・実務家・院生を対象に管理会計研究の最先端の研究成果について知見を共有することを目的にしております。

当日は,繁本 知宏氏(香川大学准教授)より「格付リリースからみた-格付評価の鍵となる財務指標」と題し,格付評価の理論を構築するために格付会社が発行する格付リリースに対してテキスト分析を行う研究の報告がなされました。

報告では, 社債投資家は信用リスクを分析するために社債の発行体情報を用いている旨説明がありました。

しかし,多種多様な社債投資家の分析実態を直接的かつ広範に把握することは困難であるとの問題意識から ,格付を社債投資家による信用リスク評価の代理変数と位置付け ,格付会社による財務情報の利用実態を分析する必要性について説明しました。

具体的には,格付会社が公表する格付リリースをテキスト分析し,頻出語と格付会社による格付評価の変化の相関関係を分析した結果を報告しました。

分析結果から,事業リスクに関連する語や将来を志向する語の出現頻度が多く,また財務指標に関連する語では収益性・収益力、安全性、CF及び投資活動に関連する語の頻度が多いことを報告しました。

参加した約35名の研究者・院生や実務家などと講演者との間で活発に議論が交わされ,盛会のうちに終了しました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次